派遣先の業績の悪化を理由に中途解雇を派遣会社から言い渡された場合

派遣契約と雇用契約は、それぞれに独立した契約であり、その性質も違います。

派遣契約は商事取引となり、派遣会社と派遣先企業の間でかわされます。

契約の目的としては派遣会社が雇用している派遣社員を派遣先企業に派遣し、派遣先企業が派遣会社に対して派遣料を支払います。

そして派遣社員は派遣会社との間で雇用契約は成立しているもので、派遣先企業との間には雇用契約はありません。

もし契約の途中で派遣先が潰れたり、業績が悪化して派遣契約を打ち切られた場合、どのようなことになるのでしょう。

このようなご時世ですから、ないこともないとは言い切れません。

下記のようなケースで考えてみましょう。

契約期間中に、派遣先企業の業績の悪化で派遣を打ち切られた。

派遣会社から「1ヶ月後にやめてほしい」という旨を伝えられた派遣社員は、何の落ち度もないのに一方的に解雇されることに納得できない。

派遣会社は「30日前に申し渡したから解雇手当も不要」という態度で、派遣社員は大変困惑している。

果たして派遣会社の言い分は、まかり通るものなのでしょうか。

派遣会社ランスタッド

派遣先企業の業績悪化による途中解雇への対応

派遣社員の雇用契約は派遣先企業との間ではなく、派遣会社と結ばれます。

派遣社員は派遣先企業で働き、派遣会社から給与を支払われます。

派遣会社が派遣先企業と結ぶ契約と、この派遣社員が派遣会社と結ぶ契約は関連性はあります。

しかし別の契約であることから、一方の解約が消滅しても、もう一方の解約が消滅するものではありません。

派遣会社が一歩的に雇用契約を解消することは「解雇」となります。

解雇であれば「30日以上前に予告を行うか、30日分の予告手当を支給しなければならない」「解雇しなければならない止む得ない事由がなければならない」といった条件が必要です。

上記のようなケースは確かに30日以上の予告は行われましたが、派遣社員を解雇する止む得ない事由にはなりません。

あくまでも雇用者は派遣会社なのですから、派遣先の業績悪化は解雇の理由とならないのです。

従って解雇は無効、雇用契約は存続します。

派遣会社は速やかに次の派遣先を紹介し、派遣先がない場合は休業手当を支払う義務があります。