派遣にまつわるトラブル【2】

業務の内容や賃金などは、雇用契約を派遣会社と結ぶときに予め決められています。

派遣会社は派遣就業が開始する前に、仕事内容や労働条件について記載された書面を派遣社員に交付します。

この書面は「就業条件明示書」「労働条件通知書」の二つは、一体になったものが交付されることもあります。

これに基づいて派遣された先で業務に携わりますが、時給の引き下げなどの変更が、派遣会社と派遣先、派遣社員の同意によって行われる場合もあります。

ただ闇雲に「時給を下げることに同意して欲しい」といわれても聞ける話ではありませんが、ある条件を提示されて応じるということは十分に考えられます。

例えば派遣会社が派遣社員に対して「自分のところが子会社を設立するにあたり、その際には正社員として迎え入れるので、来月の時給以降正社員となるまで時給に引き下げに同意して欲しい」という申し入れをしてきたとします。

実際の雇用主は派遣会社ですから、この場合は「派遣会社の都合で時給の引き下げ同意して欲しい」と言ってきているわけです。

派遣先はどうも関係ないようです。

その契約変更は条件付きであり、「子会社が出来た場合に正社員として招き入れる」というのが引き下げに応じた場合の前提になります。

しかし半年経過したのちもその子会社設立の様子はなく、確認すると「その話はなくなった」ということだった。

このような場合の対処はどうなるのでしょう。

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契約変更の効果がなくなった場合の対処

「子会社を設立した場合、そこの正社員として招き入れることを条件として、時給の引き下げに応じて欲しい」ということだったので、派遣社員は「条件付きの契約変更の申し込み」に合意したというのがこのケースだと思われます。

この申込を受託したことが派遣社員の意思表示であり、条件付き契約変更の承諾です。

従って子会社が設立されないのであれば、条件は成就していません。

時給引き下げの前提条件が消滅しましたので、契約自体契約締結時にさかのぼり無効となります。

契約変更の効果である時給引き下げは、はじめから無かったこととなります。

ですから派遣社員の時給は変更前の契約に沿ったものとなりますし、減額されていた間に発生する差額を請求することができ、派遣会社は支払う義務があります。

このような条件付きに契約内容変更は案外あることですので、条件が成就しないまま消滅した場合はそれ以前の契約に「全て」戻るということを覚えておきましょう。